手技療法

揺らし
押したり伸ばしたりはせず、関節や皮膚や筋部を優しく揺らすだけの施術です。

秒単位で脳・神経の興奮状態を変化させることが可能であり、その結果として筋緊張やそれによる関節可動域の制限等がその場で大きく改善します。
また筋肉部だけでなく血管壁の緊張も緩み弾力を回復し、結果として血行が良くなり、その場で体がポカポカと温かくなります。
揺らす方向性による「ノーマル」「カウンター」「ストレッチ」の3種を使い分けます。
また揺らす波の種類としては「抜き」と「入れ」を使い分けます。

推拿(すいな)

37年前に中国人の気功老師から学んだ技法です。
現在は手の甲を体表で丸く柔らかく転がす「こん法」をメインとしています。
グイグイ押したりしないので揉み返しもなく、体が緩み眠くなります。

操体法(そうたいほう)

操体法は仙台の医師橋本敬三先生(いまの東北大、生理学出身)が、昭和期の民間により発見創作された各種の徒手矯正療術群を、医師として生理学的な見地より収集整理編纂することで新たに構築された手技療法と言えるでしょう。
体の動かし方の方向性は理学療法で用いるPNFストレッチと似ていますが、部分的表面的に少し似ているだけで、考え方の根本からして違うものです。

 

痛みを伴う動作は一切させず、快適に動かせる動作のみで症状をその場で取ってゆく不思議な技法なのですが、操体法の本当に素晴らしいところは、たとえそれがどんなに素晴らしい技法であったとしても、そんなものは医療としては「下の下」でしかないのだ、と言い切っているところです。

 

ここで言う「下」の意味とは、病を一筋の河川であるとすれば、多くの治療とは「下流域」にあるということです。つまり「上流」で撒かれたゴミを、いくら「下流」で毎日一生懸命ゴミ拾いをしたとしても、「上流」のゴミ撒きをやめない限りは永遠に解決はないよ、と言っているわけです。

これはまた現代のほとんどの医療にも言えることであり、つまり原因を棚上げした「対症療法」だけではダメですよ、と諭してくれているのです。


なので操体法においては、手技療法としての操体法よりも、生活の基本としての「食事、呼吸、身体運動、精神活動、環境調整」の中身を正しく構築する「操体道」こそが真に重要なのである、と最初から明言しているわけです。

こういった点が、あまたある日本や世界の各種整体療術セミナー等の、ビジネス臭や承認欲求をプンプンと感じさせられるような体(てい)とは、最初からその認識の格からして違うわけです。
いつの時代でもそうですが、特に医療においては「本当に良いことはカネにならないので流行らない」のです。

 

和鍼

豪鍼(ごうしん=最も一般的な鍼)

一般的な中国針と比べると日本の鍼は細く、当院でよく用いる鍼の太さは0.12mmから0.16mmであり、これはほぼ日本人女性の毛髪の太さと同等です。ですがこれはあくまでも鍼体部の太さですから、その研磨されツルツルに磨き上げられた先端部は、もはや肉眼では視認し難いほどの「極小の点」になっています。
あとは鍼尖部の形状の違いによって刺入時の刺激の「味」も変わってくるのですが、気になる刺入時の痛みに関しては、ほぼ無痛に近いものであり、ゆえに生まれて初めて鍼を体験された方がよく言われるのが、「思っていたのと全然違う」なのです。
また、そうでなければ、近年流行の美容鍼のように、眼の下やほうれい線に左右数十本の鍼を、「田植え」よりも密に刺せたりはしないのです。
なので鍼の痛みに関しては、まったく心配要りませんし、実際その場ですぐに体が慣れます。

てい鍼(ていは金+是と書きます)

これもいくつも種類があるのですが、基本は「刺さずに圧したり推したり撫でたりする」鍼です。
これをお腹や背中に施術されると、私はすぐに体が緩んで眠くなります。

頭が冴えてなかなか眠れないような時には、自分で布団の中でお腹にてい鍼をしていると、いつのまにか眠ってしまうことが多いです。
なのでメラトニンサプリを飲んでも入眠できないような時にはお勧めです。
他にもこのてい鍼を用いて指の爪の根本にある「井穴(せいけつ)」を刺激しても体が緩み冷えが取れて眠くなります。

 

また背中のツボの性質には一定の法則があり、それをこのてい鍼を用いて操作すると、アマチュアの方でも家族の「経絡調整」ができるようにもなります。
実際アマチュアの方がそうやって家族の治療ができるようになった、という本も過去に出版されています。

 

お灸

お灸も本当に多種多様なのですが、当院は入居ビル管理会社との契約により、室内では煙の出ない電子灸のみの施術となりますが、出張治療の場合はどのような種類の灸治療も可能です。
また電子灸については術者が実際に臨床で3年以上使用してみて、その熱感において直接灸との遜色のほとんどない製品である「一灸 QL-19」を採用しております。
熱感は弱、中、強の3段階あり、ほんのりと温かい温灸程度の熱感から、鋭い直接灸レベルの熱感まで、身体のどの部位の体表からでも安全に効率よく入力することができます。

吸い玉

硝子玉内の空気を熱作用で陰圧にし体表に吸着させる、東洋各地に昔から伝わる伝統的メソッドです。

レイマックスによる間質リンパ推拿(すいな)

私は以前は小型の電気マッサージ器というものを軽視していたのですが、前に勤めていた職場で初めてレイマックスバイターを素人の助手さんにやってもらい、その時に認識が大きく更新されました。
ずぶの素人の非力な女性がやってもかなりの効果を(私自身がこの身で)感じたわけですから、これを手技療法のプロである我々が扱うとどうなるのか。
幸いその職場で以後5年に亘り、毎日の臨床を通じてそれを考慮しながら開発することができました。それがレイマックスによる間質リンパ推拿なのです。

レイマックスは重量が3Kgもあり、片手ではダンベルよりも持ちにくい形状なので余計に重く感じるのですが、「合気道」の要領でこの動かし方に慣れてくると、これを舞扇のように軽く動かせるようになります。
そしてこの3Kgの重さを体表面で(振動を加えながら)軽く滑らせるように動かすことで、筋膜やファシア(全身の膜状組織)内の間質液を効率よく流すことができるのです。
これはとにかく快感でしかありません。やはり眠くなります。
さっきまでバキバキだった重い体が、効果てきめんに柔らかく軽くなります。

セルフケアの伝授

当院では35年前の開業以来、利用者様に簡単で効果をその場で実感できる各種のセルフケア技術を伝授してまいりました。これまで多くの利用者様が何らかのセルフケアを身に付けられ、当院から卒業して行かれました。
これはとても素晴らしいことだと思います。もちろん、利用者様が、です。

一人揺らし、操体法、PNFストレッチ、お灸、てい鍼、パイオネックス(貼るハリ)の使い方、吸い玉等を、必要に応じて施術の中でご指導いたします。

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